開催報告:3/6子どもの権利ランチセミナー「行政の施策に子どもの意見を取り入れるには?~」

2024年3月6日(水)、オンラインにて、本キャンペーン主催による子どもの権利ランチセミナーを開催しました。

第2回目のテーマは、「子どもの声を聴く」です。2023年4月から施行された「こども基本法」第 11 条では、こども施策の策定等に当たってこどもの意見の反映に係る措置を講ずることを国や地方公共団体に対し義務付ける規定が設けられています。そのため国や各自治体が子どもの声をどのように聴き、こども施策に反映していくことができるか、工夫すべきことや今後の課題など先行事例を通じて考える機会として本セミナーを企画しました。
当日は、63名がオンラインで参加しました。

プログラム

・広げよう!子どもの権利条約キャンペーン活動紹介 
・子どもヒアリング事例の紹介:
① 一般社団法人TOKYO PLAY 東京都の事例
神林 俊一さん(一般社団法人TOKYO PLAY コーディネーター)
② 認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン こども家庭庁の事例
伊藤 菜々美さん(認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 子ども活動応援事業マネージャー)
・質疑応答
・閉会:今後の活動のお知らせなど 

子どもの声を聴く事例発表:TokyoPlay

まず1人目のゲストスピーカー、一般社団法人TOKYO PLAYの神林俊一さんからは、東京都の「こども未来アクション2024」において、子どもの意見を聴いて実態把握をし施策に反映するための取り組みの一環として、子どもの居場所においてヒアリングを行った事例について発表していただきました。

子どもへのヒアリングで気を付けたこと:

  • 子どもは、他の人に聞こえてしまわないか心配・不安になる。おとなが聞きたいだろうと思うこと/期待されることを話してしまう。そのため音漏れへ配慮や、マニュアル通りにやるのではなく、その場の子どもたちの自発的な遊びの時間から始まるなどして、子どもが安心する、話したくなる、話していいんだと思えるような時間・場づくりをすることを大事にした。

子どもたちの声から必要だと思うこと:

  • 「楽しかった」、「こういう場が欲しい」というポジティブな感想の一方、「どうせ言っても無理だ」という諦め感もあり、ほぐしていく必要がある。聴く人の姿勢が子どもに寄り添っている必要がある。
  • 子ども自身の本音ではなく、「こんなことを聞きたいんでしょ」とおとなが期待する事を思って話しているかを見極める必要もある。

子どもの声を聴く事例発表:FTCJ

次のゲストスピーカーである認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)の 伊藤 菜々美さんからは、主にこども家庭庁による子どもの意見聴取の取り組みで関わっていること(こども若者★いけんぷらすの開催、自治体へのファシリテーター派遣、ファシリテーター養成プログラム作成のための調査研究)について発表がありました。

こども若者★いけんぷらすの開催:

  • FTCJからは、スタッフや養成したユースファシリテーターが多数、こども・若者★いけんぷらすのファシリテーター登録をしており、これまでに対面型・オンライン型・出向く型など数多くの経験をしてきた。ここでは、その経験を共有した。
  • 難しかった点:参加者が家からオンラインで参加する際、他の家族がその場にいる中で話しづらいことを話さなければならなかったり、子どもの声を保護者の口から話したり、保護者が子どもに「こう話せば」と誘導してしまうなどもあった。深い悩みを抱えている子どもが話すのを聞いて、他の子どもの問題の方が深刻で自分の問題は大したことないと思ってしまう様子もあった。
  • 工夫があった点:事前説明会を行って、当日どんなことを聞くかなどを説明をした。またアイスブレイクでは、年齢層毎に分かれて、年齢にあったアイスブレイクを行って安心する場づくりを行った。

自治体へのファシリテーター派遣:

ファシリテーター養成プログラム作成のための調査研究:

  • 『こども意見ファシリテーター養成講座』のテキストやオンデマンド動画教材の作成や、それを元にした対面・オンラインでのお試し研修を実施。近く教材が公開される予定。

発表の後、司会の林大介さん(本キャンペーン事務局NCRC(子どもの権利条約ネットワーク)事務局長、浦和大学社会学部准教授)より、参加者からの質問等を踏まえて、ゲストスピーカーとの質疑応答の時間を持ちました。

Q1. ヒアリングやファシリテーションに行った人材はどんな人で、事前の研修はあったか?
A1. 人材は、団体のスタッフの他、業務委託で雇用する専門職もいる(TokyoPlay)、ファシリテーション経験がある若者も参加(FTCJ)、両団体とも事前の研修を必須で行っている。

Q2. 子どもたちが気軽に相談できる体制とは?
A2. 当日に相談できる、その場で気分が悪くなった時などはその場所から離れたところでおとなが話を聴く、オンラインでも離れて話せるブレイクアウトの場をつくる、後日相談できる複数の連絡手段(メールアドレレス、電話、対面など)を用意しておく。その場で解決できない場合もあるので相談対応できる団体と連携もする。

Q3. 言語的コミュニケーションができる子どもだけが対象か?言葉以外の表情や態度などは記録に残すか?
A3.  言葉以外の表情も大事なので記録する、その方が大事な時がある。言葉とは気持ちが違う場合もある。タブレットやお絵描きグッズも用意して言葉以外の表現もできるようにする。行動や表情など全てが意見表明なので、それをどう理解するのか、おとなの都合で理解することなくリフレクションすることが大切。子どもの声を聴く責任があるので、どう理解してフィードバックするかも大事。

Q4. 行政が子どもの声を聴く取り組みにおいて今後の課題は?
A4.  大きな点は、子どもへのフィードバック。子どもが社会に対して意見を言った場合、どう反映されたか分かるようにしないと諦め感が起きてしまう。継続して子どもと会話のラリーをしていく。子どもたちが「聞いてもらえて少し変わった」と実感を持てることが大事。(神林さん)
「しっかり聞いているよ」と伝えることが最初のステップ。こども家庭庁も報告書を出す前に、これでよいか子ども聞くなどしていた。ラリーのように定期的に話す機会を設けていく。子どもの声を聴くために、自分たち(行政)だけで頑張るのではなく、他の市民団体などと一緒につながりながら支えあえるとよい。(伊藤さん)

最後に本キャンペーンの今後の活動についてのお知らせ等を行い、閉会となりました。

今後も、子どもの権利に関わる法制度や取り組みに関する最新情報をお届けするランチセミナーを開催してまいりますので、ぜひご参加ください。

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