虐待・体罰・いじめなど子どもに対する暴力は依然として深刻な状況であり、国は法律を制定したり計画をつくったりして対策をとっています。親等による体罰禁止を盛り込んだ児童虐待防止法と児童福祉法の改正も2019年6月に成立し、体罰の範囲等の指針が検討され、民法822条の懲戒権規定についても、2022年を目処に見直し作業に入っています。
しかし、これまでの対策、とくに個別の法律や計画だけでは対応できていません。すでに国連の取り組みや国連・子どもの権利委員会による日本に対する勧告、また子どもの権利条約が採択されて30年、体罰全面禁止法の制定は58か国となる段階になっており、さらに国内外のNGO・NPOがさまざまな取り組みをしています。
そのようななかで、子どもに対するあらゆる暴力の権利侵害性を明らかにし、子どもの権利・条約の理念に立った、総合的な法律・条例制定や暴力を用いない子育て・教育のあり方の普及等も視野に入れた効果的な暴力防止に向けて、さらなる展開が必要な時期に来ています。
国が推進する2030年までに目指すべき持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット16.2は「子どもに対する虐待、搾取、人身売買およびあらゆる形態の暴力および拷問をなくす。」としています。日本は、子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ(GPeVAC)のパスファインディング国・理事国であり、世界保健機関(WHO)が中心に作成したINSPIRE戦略の実施も求められています。
この研究会は、1月12日に行なった本研究所の公開研究会「子どもに対する暴力の全面禁止に向けて」での報告や討論等をふまえ、また、多くのNGO/NPO・個人等で取り組んでいる「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」の一環として、行ないます。すでに取り組みを展開しているNGO・NPOをはじめ多くの人たちと連携・協働していきながら、課題について検討します。
イベント概要
日 時:2019年12月7日(土)午後1時30分~4時30分(予定)
会 場:早稲田大学文学学術院(戸山キャンパス)31号館201教室
(地下鉄・早稲田駅下車 徒歩5分)
後援:広げよう!子どもの権利条約キャンペーン
主な内容:
コーディネーター 荒牧重人(CRC研究所代表)
〇基調報告:「子どもに対する暴力をなくすために-体罰・虐待の問題を中心に-」 森 保道・弁護士
〇コメント:相川 裕・弁護士 / 子どもに対する暴力の問題に取り組むNGO 〇質疑・検討
*資料代:1000円(研究員〔会員〕およびキャンペーン実行委・賛同団体・個人は無料)
子どもの権利条約総合研究所・早稲田分室
〒162-0052 新宿区戸山1-24-1 早稲田大学文学学術院1610研究室
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