2024年版「ジュネーブ子どもの権利宣言」公開・賛同募集中!
11月20日は 「世界子どもの日」でした。今年2024年は、国連で子どもの権利条約が採択されてから35年目の記念日となります。
今年は、国際的な子どもの権利保障の出発点となった国際連盟・ジュネーブ子どもの権利宣言の採択(1924年9月26日)からちょうど100年という節目の年でもあります。
これを記念し、今後子どもたちの権利保障により一層取り組んでいくことを再確認するための、「2024年ジュネーブ子どもの権利宣言」が発表されました。
公式サイト: 2024 Geneva Declaration on the Rights of the Child
この宣言は、スイス政府の推薦を受けて国連・子どもの権利委員会に選出されているフィリップ・D・ジャフェ委員(ジュネーブ大学名誉教授)のリーダーシップのもと、ジュネーブ市と、セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル、アンファン・デュ・モンド(Enfants du Monde、世界の子どもたち)、テールデゾム(Terre des hommes)・スイスなどのNGOが協力しながら取り組んできたものです。
同宣言は、「子どもの権利およびウェルビーイングに関して過去100年の間に達成された多くの重要な成果」に留意ししつつ、いまなお世界中の子どもたちが多くの課題に直面していることを危惧し、「国連・子どもの権利条約およびその選択議定書に掲げられた、すべての子どもの諸権利を差別なく尊重し、保護しかつ充足することへのコミットメントを再確認」したうえで、今日および将来世代の子どもたちに次のことを保障していくという決意を、すべての関係者に呼びかけています。
- 子どもたちが、尊厳およびウェルビーイングが守られる条件下で、貧困に陥ることなく、かつ到達可能な最高水準の健康を享受しながら生活できること。
- 子どもたちが、もはや武力紛争の影響を受けることのないコミュニティで育っていけること。
- 子どもたちが、自己に影響を与えるすべての決定において意見を聴かれかつ重視されることにより、自らが暮らしているコミュニティの形成に参加する基本的権利を承認されること。
- 子どもたちが、その生存、発達およびすべての権利の享受に資する、安全、清浄、健康的かつ持続可能な環境のもとで豊かに成長できること。
- 子どもたちが、急速に変化するデジタル環境において、自己の行為主体性を保全でき、かつ安全な利用のためのデジタルリテラシーを備えることのできる環境下で、安全でエンパワーメントにつながる経験から利益を得られること。
- 子どもたちが、家庭を含むすべての場面で、あらゆる形態の(身体的、心理的および性的な)暴力から保護されること。
- 現在および将来のすべての生物工学(バイオテクノロジー)の発展において、子どもたちの最善の利益が尊重されること。
- 子どもたちが、自己の権利が侵害された際、子どもにやさしい司法制度および相応の救済措置にアクセスできること。
- 子どもたちに対し、いかなる差別もなく、無償かつ包摂的な乳幼児期教育、初等教育、中等教育および職業教育を提供されること。
- 子どもたちが、すべての人が望み得る、子ども時代の肯定的なかけがえのなさを経験できること。
(宣言全文の日本語訳は、公式サイトのほか、本キャンペーンアドバイザー、子どもの権利条約総合研究所の運営委員である平野裕二さんのnoteにも掲載されています)
正式な発表前から早期賛同者の募集が進められ、上記公式サイトの開設時点で、国連・子どもの権利委員会の歴代委員長を含む1,300人以上の賛同者が集まりました。2024年11月27日現在、賛同者は2,000人を超えています。第1次賛同キャンペーンが2024年12月31日まで実施されていますので、関心のある方は以下のサイトのフォーム(おとな用・子ども用)からご賛同ください。
賛同の募集〆切:2024年12月31日まで
おとな用フォーム:https://declaration2024.org/sign-now/
子ども用フォーム:https://declaration2024.org/i-am-a-child/
以上